公益財団法人江川文庫には中世以来の膨大な史料が保管されており、その内容は古文書、書画、典籍、焼き物、武器、古写真など非常に多岐にわたるものであります。
なかでも徳川時代より代官を代々世襲で務めたということもあり、代官として備えておくべき公文書が非常に多く残されております。これらは幕府代官所の職務や支配の実態、地域の歴史を知る上で大変貴重な基礎資料となります。また、幕末、諸外国の開国圧力が強まる時代、海防や西洋技術の導入に積極的に関わったことから、江戸時代後期から幕末維新期の資料の中には、日本の政治・軍事・外交史の研究上極めて重要なものが多く残されています。
これら資料の重要性が認められ、財団が所蔵する史料、約7万点のうち4万点弱が平成25年6月に重要文化財指定されました。
しかし、十分な保存環境が整っていないため、この中には、傷みが進み修復の待たれる資料も数多く存在します。後世にこれらの資料をきちんとした形で伝えていくためには速やかな修復が必須の状況です。どうか共に歴史を未来に伝え、読み解くためのお力添えをいただければ幸いです。
今後財団としましては、保存環境を整えると同時に、積極的に皆様が参加、活用できるような資料の活用方法も考えていきたいと思っております。
本事業の趣旨をご理解いただき,募金に対する格別のご支援を賜りますようお願い申し上げます。